永田ラッパさんのYouTubeから


これから飲食業界に入ろうとする人には、少し怖い話かもしれません。しかし、労働時間が長く、経営者であればなおさら負担が大きいというのは真実です。
​ラーメン業界のこの30年ほどの傾向として、味づくりの進化には目をみはるものがあります。どの店も、すべての職人が「より美味しいラーメン」の提供に励んでいます。そのためには良い材料を使い、凝った手法に手間をかけるこれは王道であり、絶対の条件でもあります。そして、食材に凝れば原価が上がり、手間をかければ時間もかかるのは当然の帰結です。
​ラーメン屋の店主の労働時間は、月間250時間というのは当たり前の数字といえます。しかもこの傾向は、美味しさを追求すればするほど強まっていきます。
​この長時間労働の傾向に歯止めをかけるために必要なのが、仕事全般のスキルを上げることです。なかでも「下働き」をテキパキとこなせるよう、訓練されておくべきです。調理に労力を取られるのは仕方がないとしても、下働きの段階で疲弊している場合ではありません。当然、調理技術も向上させなければなりませんが、まず取り組めるのは下働きのスキル向上です。そこは雇われているうちにしっかり身につけるべきであり、決して下働きを軽んじてはなりません。
​実際に開業した経験の浅い店主たちがどれほど働いているかは、冒頭に挙げた水準よりずっと高いはずです。それを時給換算してみれば、東京都の最低賃金より低い水準かもしれません。そうならないための修業が大切であり、雇われているうちこそがそのチャンスなのです。
​とはいえ、「下働きくらい人を雇えばいい」という考え方もあります。しかし、それはそれで大変であり、ある意味で自分でこなすより難しいといえます。まず人件費を捻出するために売上を伸ばさねばならず、結局は経営者自身の労働が強化されます。さらに、人を募集しても望むような人材が来るとは限りません。個人店での求人は、想像以上に難しいのが現実です。
​美味しいラーメンを提供するには、手間暇とお金がかかります。美味しさを追求するためのアイデアはいくらでも湧いてくるでしょう。しかし、それを採算が取れる形で実行するには、様々な技量が必要です。それがないままラーメン屋を営もうとすれば、自分自身が疲弊するだけに終わってしまいます。
​夢を追い求めてラーメン屋を目指す姿は素晴らしく思えますが、しっかりと実力を備えて実行しなければ、とんだ苦難が待ち受けているかもしれません。

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