独立開業に向けて


昨年暮れから従業員の独立開業に向けた動きが始まりましたが、現時点ではまだ具体的なゴールは見えていません。昨年12月より店舗を探していますが、半年経った現在もまだ見つかっておらず、状況は膠着しています。開業予定者は2名おり、どちらも同じ状態です。
かづ屋としては、この欠員を埋めるべく動き出し、4月末には補充が決定し、既に勤務してもらっています。独立予定者とは入れ替わりに、彼らは店のシフトから外れました。
店の運営において、このような従業員の進退には微妙な調整が不可欠です。人員不足は大きな問題ですが、必要以上の人件費も負担となります。かといって、退職を急かすのは酷ですし、就業希望者に長く待機してもらうのも問題です。従業員の引き継ぎ期間が重なるのはやむを得ない部分もありますが、今は新しい従業員も定着し、独立希望者も無事に退職が完了した状況です。
そんな中で心配なのは、彼らの独立開業への道程ですが、当事者でない私がやきもきしても始まりません。店舗探しのお手伝いはある程度させてもらっていますが、限界もあります。先月、私としては理想的な空き店舗を見つけたのですが、彼らの条件とは異なり、残念に思いました。
さて、店舗探しで大切なのは、どのような店を作るかという明確なイメージがあるかどうかにかかっています。例えば、ワンオペで営業するのか、テーブル席を設けてホール専属スタッフを置くのか、ラーメンのみのメニュー構成にするのか、あるいはサイドメニューも提供するのかなど、様々な選択肢があります。逆に、そうした構想よりも、出合えた店舗次第で店作りを柔軟に考える、つまりとにかく立地条件や店舗の造りを優先するという考え方もあります。
今回の独立開業者2名は、かづ屋で勤務するまで、ラーメン店での長い経験があります。かづ屋での就業期間は2年ほどです。彼らは、麺屋はやしまるの創業者である林氏と同様に、長いラーメン店勤務の集大成をかづ屋で積んだ、という考え方です。私は、それはそれで「あり」だと考えています。理想的には未経験者に入店してもらい、まっさらな状態でかづ屋の仕事を覚えてもらうのが良いと考えますが、林氏の成功例は、長い他店での経験とかづ屋での経験が融合し、独自のラーメン世界を創り出した結果であり、私としては非常に満足のいくものでした。しかし、彼らとはそこまで長く一緒に働いていないため、彼らの目指すラーメン世界を十分に把握しきれていません。それゆえに、彼らをサポートするにも踏み込みきれないところがあります。例えば、店舗探しをもっとお手伝いしたい気持ちもありますが、私の価値観だけで店舗を勧めるのは、彼らにとっては煩わしいかもしれません。
このような現状ですので、私が躍起になるのは控え、静観するしかないのでしょう。

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