餃子を考える2
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かつて餃子といえば町中華で食べる機会が多かったものですが、近頃はすっかりその数が減ってしまいました。20年前と比べると十分の一ほどでしょうか。かつて中華組合に所属していたので、その実態はよく分かります。
そんな中、最近では餃子の王将や餃子の満州に行く機会が増えました。感心するのは、これらのチェーン店でも冷凍餃子を使わず、冷蔵やチルド、さらには店によっては店内で餃子を包んでいる点です。餃子は、いくらレシピの完成度が高くても、提供のされ方次第で全くの別物になります。その最たる悪手が冷凍です。
町中華の中には、餃子作りの煩わしさから仕込みの頻度を減らそうと、週に一度の仕込みで冷凍餃子を使っている店もあります。しかし、本当に美味しいと評判の町中華では、決して冷凍はしていません。
そんな餃子業界に、新しい試みをする店が登場しました。本来、日式餃子は薄皮でご飯のおかずとして相性が良いとされてきましたが、その常識に反してむっちりとした厚皮の焼き餃子定食で勝負をかけている店です。さらに皮にもこだわり、店内にて機械で自家製を実現していました。自家製のむっちり皮となると、通常であれば手伸ばしで作るところですが、そこを機械式にしている点で私的に興味を惹かれたのが皮の加水率です。手伸ばしでむっちり感を目指すなら50%くらいでしょうか。従来の製麺屋に依頼した皮では40%が限界です。加水率が高いほどむっちり感は増しますが、この店の機械式ではどれくらいなのか。
このように果敢な挑戦をしている店ですが、問題もありました。焼き上がった餃子の皮が破けているのです。その結果、焼いている途中で鉄板に肉汁が流れ出し、焦げ付きやこびり付きが発生していました。やはり皮作りの技術に課題があるようです。
餃子は材料原価をかなり抑えられますが、手間は結構かかりますし、製造にはそれなりの技術も必要です。事業として利益を生み出していくには、機械化して大量生産に向かわざるを得ないでしょう。そうした中で、どれだけ手作りの部分を残しながら提供できるかが、顧客満足度を高める鍵となります。餃子の満州や餃子の王将の成功は、この手作りの残し方が非常に巧みな点にあるのだと思います。
つづく